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2022.08.18

表裏なく

前回のブログから2ヶ月も経ってしまいました。
月日の流れるそのスピードに私は着いて行けているのだろうか、そんなことを考え続けた毎日でした。

長いのでお時間ある時に気が向いたら読んでいただけると嬉しいです。

最近はパフォーマンス以外では作品やロゴのオーダーが今年は増えまして、ずっと制作をしていました。
納期がありますから、それまでに自分の気持ちを乗せて、作品を生み出すパワーをこれまた生み出さねばならず、なかなか集中できなくて苦労したこともありましたが、殆どが最初の候補作品でOKをいただくことができ、どんなイメージなのか?のヒヤリングの大切さを実感しました。
少しずつ世の中に出て来ると思いますので(忘れなければ)ご紹介したいと思っています。

さて、今回のタイトルは「表裏なく」なので裏の感情もそのまま綴りたいと思います。それらも含めて玲泉だと思って受け止めていただけると嬉しいです。

7月はコロナ禍で3年間イベントを中止していたイオンタウン成田富里での書道パフォーマンス。
テーマは「七夕」と「成田祇園祭」。
久々に1人でのパフォーマンスでしたからずっと緊張していて何度練習しても自分でOKが出せなくて夢にも出て来たくらいでした。

当日は1人ですから私しかステージにいないので見てくださっている方の視線が背中に終始追われるように張り付いる感じで、熱いものをずっと感じながら、でも少しずつそれが心地良くなり「快感!」そう思ってパフォーマンスしていました 笑
色紙書きと共にたくさんの方とお会いできて幸せなイオンタウン成田富里でした。
一番印象に残っているのは「長生きしてまた会いたいから「長」って言う字を書いてください」と90歳の方に仰っていただいたこと。
随分前に痴呆で分からなくなって行く中、来てくださった方が「夢を持つことは大事だから「夢」を持って帰ります」と仰っていただいたこともあります。今はもう全く分からなくなってしまったそうですが、「夢」飾ってあります!と先日身内の方からお伺いしました。
様々な出会いにより心の中で行き交う言葉とか想いを表現して行きたいと思います。

成田富里はスタッフの方、エージェントの方、音響の方、全員が最高に素敵な方々で嫌な気持ちになることが全くありません。
「玲泉さん、また会えて良かったです!」到着して事務所に挨拶に行って最初にいただいた言葉がこれでしたから本当に嬉しかった!
警備の方にも「玲泉さん、名前覚えてるよ!」と言っていただき、警備の方の名前を覚えていない私の失礼さを深く反省いたしました。

8月は愛知県犬山市の明治村の「宵の明治村」。
昨年の夏と今年の新春イベントに続いて3回目。
呼んでいただきとても感謝しています。

大雨の中でのセッティングで雨が入り込んだこともあり、紙の状態、滑るステージ、いつもと全く違うコンディションの中で本番中も試行錯誤しながらパフォーマンスしていました。
墨が乗らない、シートの上が滑るので足元が定まらず途中転びそうになる、滑って踏ん張ることができないから力が入れられない、どこに重心をかければ良いのか分からない、もうどうにもならないから、逃げ出してしまいたくなるくらい心の底からホントーに焦っていました。
そんな風に「助けてー」の気持ちで始まりましたが20分くらいのパフォーマンスの間で感覚を掴むことができ途中の危なっかしい感じは(金魚3匹だけの予定が調子に乗って10匹くらい書いてしまうくらい)全部挽回できたと思っています。
たくさんの金魚達、明治村の方には好評でした。
「宵の明治村」のテーマ「金魚」でしたしね。

あんなにも大雨だったのに途中から月が覗き始め、何とも言えない幻想的な景色の中でバイオリンの美しい音色と共に筆を走らせることができたこと、きっと一生忘れない思い出になると思います。

コロナ禍でずっと止まっていたものが動き出しイベント出演も増えました。
動くことが出来る様になった分、出会いも増え、これからに繋がる方々をご紹介していただく機会も増えました。
と同時に自分の中で沢山の迷いが次々に生まれ、全く消化できず、それらが日に日に増えて行く一方でどう片付けたら良いのか、答えの出ないまま毎日を送っていました。
不思議なんですけどそんな苦しい中で生まれる作品が案外魅力的で好評だったりします。

話戻しますが、自分が何を目指していて、何処に向かいたくて、何の為に書道をやっているのか、生演奏と共にパフォーマンスをすることの意味は何なのか、今まで掲げていた目標が目標に思えなくなったり、絶対辿り着く!と思っていた場所が本当の私はそんなこと思ってないんじゃないか?と自分を疑ったり、自分自身の中にあった確固たる答えのつもりだったものが、実は何もかも不正解だったんじゃないか?と思ったり、作品制作もパフォーマンスももうやらない方が良いのではないかと思い始めていました。

明治村の直前に数日動けなくなるくらい体調を崩して暫く書けなくて、毎日悶々とただただ1人で考え続け、パフォーマンスもどう組み立てたら良いのか、そのアイデアも全く出て来なくて日に日に焦りだけが増し、自分で解決するしか無いのに何の閃きもない。これで明治村に行って良いんだろうか?行かない方が良いんじゃないか?私が行かなかった場合どう進めたら迷惑を掛けないのか?そんな今思えば全く必要のない笑っちゃうようなシュミレーションを割と必死でしていました。

何も決められない中途半端な状態のままでいるのが辛くて周りにいる人達にも迷惑をかけるから全部辞めてしまおう!と考えてしまったのだと思います。

考えが大きく変わったのは、全く望まないコンディションの中でも明治村のパフォーマンスを創り上げることができたことが大きいかもしれません。ただこれはバイオリンの生演奏にも大きく助けられたと思っています。
1人だったら絶対無理だったと今回につては言い切れます。
また、翌日のプレミアムイベントで書き続けるパフォーマンスをし、純粋に私は書くことが好きで、それによって伝えたいことがあるから書いている、ただそれだけ、難しいことを考えなくても心のままに表現すればそれで良いんじゃないか。
また、遠方より来てくださった方々の温かな言葉に次回書きたい言葉が次々に浮かび、生まれ、心が大きく動き、家に帰って様々なことを振り返る中で書道を始めた頃から持っていた「志」を思い出すことができたからだと思います。

書道だけは辞めたいと思ったことが今まで一度もありません。ずっと大好きで頭の中は書道を通しての企み事でいつも一杯です。
そろばん、ピアノ、水泳、剣道、水泳、沢山の習い事に行かせてもらいましたが、そろばん以外は何となくそれなりになりました。余談ですが、そろばんについては「行ってきまーす」と元気に自転車で出かけて友達を連れ出して遊びに行ってしまったこと数回。子供のやることなんて親はお見通しで直ぐにバレて「そんなに嫌ならやめてもよろしい」許可を得ました (笑)
親からも感心されるくらい書道が好きなのに、その書道から距離を置こうと思ってしまったことがもしかしたら悩みを大きくしてしまったのかもしれないです」

まだ全部が解決した訳ではありませんが、秋は作品展を開催することも決まっています。
コロナでずっと中止になっていたイベントが再開する予定とのことでそちらでのパフォーマンスにもお声掛けいただいていますし他にも新しい案件をいただいています。色紙書きもやります!
悩んでいる場合ではないのです。

直ぐに答えは出ませんが試行錯誤の日々を続け、進んでは戻ってを繰り返すことにより、きっと答えが出ると思います。
その答えが出た時が書道人生の締めくくりの日なのではないかと思っているので、答えは何十年も先に出れば良いと思っています。

自分自身の未熟な部分に目を向けないで来てしまったが故に生まれた感情なので、また一から積み上げて行きます。
その為に「古典を学ぶ」ことを絶対怠ってはいけないと思っているので、そこに集中する時間を暫くは作りたいと思います。
古典を学ぶ楽しさについて書き始めると止まらなくなるだけでなくかなりマニアックになるのでそれは我慢します。 古典を学ぶことにより土台を作り、作品の幅が広がり、パフォーマンスの形もきっと斬新なものへと変わって行くと思います。

この2ヶ月間で一番心に刺さり支えられた言葉

『運命で決められた運もあるけれど
生き方で変えられる運もある』

悩み抜いた分、全部吹っ切れた時には必ず大爆発します (笑)
今までがそうであったように…
 

長〜いブログを読んでいただきありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

書家 玲泉 拝

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